約2年住んだ部屋を退去して、原状回復費は121,537円でした。
敷金は0円の部屋だったので、差し引くものがありません。日割りの精算で戻ったぶんを引いて、90,149円の請求になりました。
「退去費用 内訳」で検索すると、「原状回復とは」「ハウスクリーニング費とは」という説明が並びます。項目名と金額が入った実物の精算書は、1ページ目には見当たりませんでした。
なので、手元にある精算書を、そのまま出します。
退去費用の内訳|精算書の明細をそのまま出します
先に全部出します。
| 項目 | 金額 |
| クロス | 5,000円 |
| 床材(リペア補修) | 35,000円 |
| 立会事務手数料 | 10,000円 |
| 基本清掃費 | 50,445円 |
| 諸経費(10%) | 10,044円 |
| 小計 | 110,489円 |
| 消費税(10%) | 11,048円 |
| 原状回復費 合計 | 121,537円 |
クロスの行は、書面に手書きの訂正が入っていました。項目名が読み取りにくいので、ここでは金額だけ出しておきます。
床材は「リペア補修」と書かれていて、これも手書きです。
金額がいちばん大きい項目は、基本清掃費の50,445円でした
内訳を見ると、金額では、合計の約41%が基本清掃費です。
| 基本清掃費 | 50,445円 |
| 原状回復費 合計に占める割合 | 約41% |
次が床材の35,000円、立会事務手数料が10,000円、クロスが5,000円という順です。
床材(リペア補修)は35,000円で、基本清掃費の50,445円のほうが大きい、という形になっていました。
諸経費10%が、何にかかっているか
諸経費は10,044円です。これが何の10%なのかを、書面の数字どうしで計算してみました。
- 床材 35,000円 + クロス 5,000円 = 40,000円
- + 立会事務手数料 10,000円
- + 基本清掃費 50,445円
- = 100,445円
この100,445円の10%が10,044円です。
つまり諸経費は、立会事務手数料にもかかっています。書面にその説明はありませんでしたが、数字は合います。
敷金が0円の部屋だったので、差し引かずに請求が来ました
前に住んでいた部屋は、敷金が0円でした。なので、原状回復費から差し引く原資がありません。
| 原状回復費 | 121,537円 |
| 日割りの精算で戻ったぶん | 約3万円 |
| 最終精算(請求) | 90,149円 |
僕の場合は、退去の月の賃料が日割りで精算されて、預けていたぶんの一部が戻りました。それを差し引いた残りが請求です。
僕の場合は引くものが無かったので、そのまま請求になりました。
ひとつ補足です。引越しの初期費用に書いた敷金115,000円は、いま住んでいる家に預けたものです。退去したほうの部屋とは別の家の話で、こちらは0円でした。
立会事務手数料と諸経費は、断れるものなのか
ここは、僕にも分かっていません。
これまでの引っ越しの立ち会いで、立会事務手数料や諸経費を請求されたことは一度もありませんでした。
そして、知識がなかったので、そのまま承諾しました。立会のときに質問もしていませんし、交渉もしていません。
「当たり前なのか」「断れるものなのか」は、僕には判断できません。なので、ここでは公式な資料に何と書いてあるかだけを置きます。
「立会事務手数料」は、公的な資料に見当たりません
公的な資料は、次の4つです。
| 資料 | 範囲 |
| 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 | 全文173ページ(公式のダウンロードページの表記)とQ&A |
| 東京都「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」 | 第4版 全文87ページ |
| 国民生活センター | 公表資料2本 |
| 消費者庁 | 消費者ホットラインのページ |
この4つには、「立会事務手数料」という費用の記載は見当たりませんでした。
「諸経費」のほうは、国土交通省のガイドラインに出てきます。ただし基準を示している部分ではなく、裁判例を紹介している中で、請求された項目のひとつとして出てくるだけです(全文173ページのうち3か所)。
その裁判例が諸経費をどう判断したかは、ここでは書きません。
これは「そんな費用は存在しない」という意味でも、「請求してよい/いけない」という意味でもありません。この4つの資料に書かれていなかった、というだけです。
契約書の特約について、国のガイドラインが書いていること
費用の名前そのものではありませんが、契約で借主に負担させる場合の条件は書かれています。
【賃借人に特別の負担を課す特約の要件】
① 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
② 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
③ 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること
なお、金銭の支出を伴う義務負担の特約である以上、賃借人が義務負担の意思表示をしているとの事実を支えるものとして、特約事項となっていて、将来賃借人が負担することになるであろう原状回復等の費用がどの程度のものになるか、単価等を明示しておくことも、紛争防止のうえで欠かせないものであると考えられる。
(国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」第1章・2026年10月29日に確認。①②③は原文が箇条書きのため、句点がありません)
ここで言う「特約」は、借主に原状回復義務を超える修繕等の義務を負わせる特約のことです。立会事務手数料や諸経費を直接取り上げた記述ではありません。
この①②③が自分の契約にどう当てはまるのかは、僕には分かりません。契約書の特約がどうなっていたかは、この記事では扱いません。
納得できないときについて、公式に書かれていること
国民生活センターの資料には、こうあります。
納得できない請求をされた場合は、貸主側に費用の明細等の説明を求め、費用負担について話し合いましょう。
(国民生活センター「賃貸住宅の原状回復トラブルにご注意!」・2026年10月29日に確認)
東京都のガイドラインにも、退去後の明細書についての記載があります。
連絡が来たら、明細書をもらい、立会いの時に確認した内容と合っているか、よく確認しましょう。
明細書の内容に納得できない点があれば、貸主や管理業者に連絡を取り、説明を求めましょう。
(東京都「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」第4版・2026年10月29日に確認)
相談できる窓口についても、消費者庁のページに案内があります。
困ったときは、一人で悩まずに、「消費者ホットライン」188にご相談ください。
地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口をご案内します。
(消費者庁「消費者ホットライン」・2026年10月29日に確認)
僕は、この窓口に相談していません。ここに置いたのは、公式の案内としてそういう窓口があるという事実だけです。
国のガイドラインは「出口」ではなく「入口」の問題だと書いています
国土交通省のページには、こう書かれています。
原状回復の問題は、賃貸借契約の「出口」すなわち退去時の問題と捉えられがちですが、これを「入口」すなわち入居時の問題と捉え、入退去時における損耗等の有無など物件の状況をよく確認しておくことや、契約締結時において、原状回復などの契約条件を当事者双方がよく確認し、納得したうえで契約を締結するなどの対策を的確にとることが、トラブルを未然に防止するためには有効であると考えられます。
(国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について・2026年10月29日に確認)
同じページには、負担の考え方も書かれています。
(前略)賃借人の負担については、建物や設備の経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させる考え方を採用しています。
原状回復は毀損部分の復旧ですから、可能な限り毀損部分に限定し、その補修工事は出来るだけ最低限度の施工単位を基本としていますが、毀損部分と補修を要する部分とにギャップ(色あわせ、模様あわせなどが必要なとき)がある場合の取扱いについて、一定の判断を示しています。
そして、こうも書かれています。
現在、既に賃貸借契約を締結されている方は、一応、現在の契約書が有効なものと考えられますので、契約内容に沿った取扱いが原則ですが、契約書の条文があいまいな場合や、契約締結時に何らかの問題があるような場合は、このガイドラインを参考にしながら話し合いをして下さい。
僕の請求が正しかったのか、そうでなかったのかは、ここでは書きません。契約書の特約がどうなっていたかも、この記事では扱いません。
書けるのは、自分の精算書がこうだったということと、国のページにこう書いてあるということまでです。
入居は2024年10月26日、立会は2026年10月24日でした
精算書には日付も入っています。
| 入居日 | 2024年10月26日 |
| 立会日 | 2026年10月24日 |
約2年です。
入居日と立会日は、どちらも精算書に書いてありました。
読んだ人が、今日できること
3つあります。
1. 自分の精算書(または見積もり)の項目を、1つずつ数える
合計だけ見ていると、何にいくらかかっているのか分かりません。僕の場合は費用の行が5つと消費税で、金額では清掃費が約41%でした。
2. 諸経費が「何の」何%かを、自分で計算してみる
僕の場合は、立会事務手数料にもかかっていました。書面に説明はありません。足し算と掛け算で分かります。
3. 契約書の敷金欄を見る
敷金が0円なら、差し引く原資がありません。僕の場合は、そのまま請求になりました。
まとめ|入るのに875,662円、出るのに121,537円
- 約2年住んだ部屋の原状回復費は121,537円(税込)
- 内訳はクロス5,000円 / 床材35,000円 / 立会事務手数料10,000円 / 基本清掃費50,445円 / 諸経費10%
- 金額がいちばん大きいのは基本清掃費で、合計の約41%
- 諸経費10%は、立会事務手数料にもかかっていました(書面の数字から計算)
- 敷金は0円。日割りで約3万円が戻り、差し引き90,149円の請求
- 国のガイドラインは「出口」ではなく「入口」の問題だと書いています
- 入居2024年10月26日、立会2026年10月24日(約2年)
入るときにかかったのは875,662円でした。出るときにかかったのが121,537円です。
今回のことで、僕が知ったこと
事前に知識を入れてから進めないと、本来払わなくていいお金を払うことになりかねない。改めて、事前に準備することの大切さを知りました。
ただし、この記事に出てくる項目が不要だったと言っているわけではありません。そこは上に書いたとおり、僕には判断できていません。
更新して住み続ける場合と引っ越す場合で、どちらがいくらかかるかは更新と引っ越し、どっちが安い?に計算できる形で置いてあります。その計算機に退去費用の欄はありません。自分で足して考える必要があります。
家賃そのものを下げた話は「払える家賃」と「貯まる家賃」は違うに書きました。
