「家賃は手取りの3割まで」
お金の話でよく聞く目安です。僕も引っ越す前は、これをひとつの基準にしていました。
ただ、実際に家賃を見直してみて思ったことがあります。「払える家賃」と「お金が残りやすい家賃」は、同じではないということです。
3割前後の家賃でも、生活に困ってはいませんでした。外食もできたし、趣味にもお金を使えていました。それでも、意識しないと貯金が増えない感覚がずっとありました。
そこで更新のタイミングで引っ越して、家賃を14万円から12.5万円に下げました。差は月1.5万円、年間で18万円です。
金額だけ見ると地味かもしれません。でも部屋は広くなり、通勤時間はむしろ短くなりました。この記事では、そのときの実体験と数字をそのまま書きます。
家賃14万円でも、生活に困っていたわけではない
引っ越し前に住んでいたのは、都内23区の1LDKでした。駅から徒歩10分、33㎡、築2年。家賃は14万円です。
正直に言うと、この家賃で生活が苦しかったわけではありません。毎月ちゃんと払えていましたし、外食も趣味も我慢していませんでした。
問題はそこではなく、貯金が増えていかないことでした。
払えてはいる。でも残らない。「今月は余らなかったな」で終わる月が続いていました。家賃を払えるかどうかと、その家賃を払いながらお金を貯められるかどうかは、別の話だったんです。
実際に引っ越してみたBefore → After
将来子どもが生まれることも考えて、貯金を増やしたいと思っていました。そこで旧居の更新のタイミングで引っ越しを決めました。同じ23区内での引っ越しです。
一番迷ったのは、駅から少し遠くなることでした。徒歩10分から12分になります。2分の差ですが、毎日のことなので気にはなりました。
実際に引っ越してみた結果がこちらです。
| 引っ越し前 | 引っ越し後 | |
|---|---|---|
| 家賃 | 14万円 | 12.5万円 |
| 広さ | 33㎡ | 40㎡ |
| 駅までの距離 | 徒歩10分 | 徒歩12分 |
| 通勤時間 | 51分 | 46分 |
駅からは2分遠くなりました。 事前に一番気にしていたところです。
でも通勤時間は、51分から46分に短くなりました。使う路線と最寄り駅が変わったからです。駅から遠くなるぶん通勤も長くなると思っていたので、ここは予想外でした。
駅までの距離と通勤時間は、必ずしも連動しません。 物件を比べるときは、駅からの徒歩分数だけでなく、実際に職場まで何分かかるかで見たほうがいいと思います。
部屋も33㎡から40㎡へ広くなっています。生活レベルを落として家賃を下げたわけではありません。
家賃が下がったぶん、毎月1.5万円が残るようになった
家賃が14万円から12.5万円になったので、毎月1.5万円が浮きました。
年間では1.5万円 × 12か月で18万円です。
月1.5万円と聞くと、たいした額ではないと感じるかもしれません。でもこれは、何かを我慢して捻出した1.5万円ではありません。住む場所を変えただけで、生活の中で削ったものはありません。
それまでは「がんばってなんとか貯める」感覚でした。今は、特に意識しなくてもその分が残ります。
もう少し具体的に書きます。家賃は共有口座から払っているのですが、家賃が下がったあとも、そこへ入れる金額は変えていません。
下がったぶんだけ入れる額を減らす、ということをしていない。だから浮いた1.5万円は、使われずに貯金へ回っています。毎月自分で移し替えているわけではありません。金額を変えなかっただけです。
固定費を下げても、その分が生活費に流れてしまえば手元には残りません。下げたあと、入れる金額を動かさなかった。やったことはそれだけです。
これが、僕が細かい節約より先に固定費を見直すことを大切にしている理由です。一度仕組みを変えれば、あとは意識しなくても効果が続きます。
初期費用72万円。回収には4年かかる計算
もちろん、引っ越しはタダではありません。
僕の場合、初期費用は約72万円でした。犬を飼っていることもあって、通常より高めだったと思います。
ここは正直に書きます。家賃の差は月1.5万円なので、72万円を取り返すには単純計算で48か月、つまり4年かかります。
決して短くありません。「引っ越せばすぐ得をする」という話ではないんです。
それでも動いたのは、旧居が更新時期だったからです。そのまま住み続ける場合、こういうコストがかかる予定でした。
- 更新料など:約20万円
- 更新後の家賃値上げ:月1.5万円
つまり、住み続けてもお金はかかりましたし、そのうえ家賃は上がる予定でした。
「どうせ更新でお金を払うなら、このタイミングで家賃そのものを見直そう」。そう考えたことで、引っ越しに踏み切れました。
更新時期でなければ、僕はたぶん動いていません。 逆に言えば、更新時期は家賃を見直す一番いいきっかけだと思います。
「何%が正解?」より、いくら残るかで考える
家賃について調べると、「手取りの○%以内」という基準をよく見ます。
ただ僕は、今回のことがあってから、万人に共通する正解の割合を決めるより、自分の家計で実際にいくら残るかを見るほうが大事だと思うようになりました。
理由は単純で、割合が同じでも、収入も生活も人によって違うからです。手取りの25%が余裕な人もいれば、きつい人もいます。
僕の場合、引っ越し前は割合の目安で言えば「払える範囲」でした。でも残りませんでした。目安は満たしていたのに、目的は達成できていなかったわけです。
だから、家賃を決めるときに見るべきなのは「何%か」ではなく、その家賃を払ったうえで、毎月いくら残る見込みなのかだと思っています。
固定費全体でどこから手をつけるかは固定費を見直すならどこから?6大固定費を減らす順番に、割合の目安については固定費はいくらが理想?手取りに対する固定費率の目安と見直し方に書いています。
家賃を下げるためなら、何でもいいわけではない
ここまで家賃を下げた話をしてきましたが、安ければ安いほどいいとは思っていません。
- 通勤時間が大幅に伸びる
- 毎日の生活が極端に不便になる
- 部屋が狭くなりすぎる
- 大切にしている暮らしを諦める
こうなるなら、家賃が下がっても満足度は下がります。
僕たちも「とにかく安い物件」を探したわけではありません。探したのは、家賃を下げながら、暮らしの満足度をできるだけ維持できる場所です。駅からは少し遠くなりましたが、部屋は広くなり、通勤時間は短くなりました。全部が良くなったわけではなく、入れ替わったという感覚です。
こんな人は無理に家賃を下げなくていい
逆に、次のような場合は無理に動かなくていいと思います。
- 今住んでいる場所そのものに大きな価値を感じている
- 職場の近さを最優先したい
- 住環境にお金をかけることが自分の幸福につながっている
- 今の家賃を払っても、目標額を十分に貯められている
- 更新時期がまだ先で、途中解約になる
お金の使い方に正解はありません。
僕たちはたまたま「今の利便性を少し調整してでも、将来のためのお金を増やしたい」という考えで、しかも更新時期が重なっていたので、この選択が合っていました。同じ状況でも、違う答えになる人はいると思います。
まとめ|家賃は固定費だからこそ、一度の見直しが大きい
今回の家賃見直しで感じたことをまとめます。
- 「払える家賃」と「お金が残りやすい家賃」は違う
- 家賃14万円 → 12.5万円で、毎月1.5万円・年間18万円の差が生まれた
- 33㎡ → 40㎡になり、通勤時間も51分 → 46分に短くなった
- 駅からは徒歩10分 → 12分と遠くなった
- 初期費用72万円の回収には、単純計算で4年かかる
- それでも動けたのは、更新時期で住み続けてもコストがかかる状況だったから
家賃は固定費の中でも金額が大きいぶん、動かすのに一番エネルギーがいります。初期費用もかかりますし、すぐに元が取れるわけでもありません。
でもそのぶん、一度動かしてしまえば、あとは何もしなくても毎月効いてきます。
僕が借金240万円の状態から家計を立て直すために何を変えたのかは、借金240万円から僕が実際に変えたことにまとめています。
